耐熱温度とプラスチックベアリングの材質との関係
ベアリング材質には様々なプラスチックが使用されますが、それぞれ耐熱温度が違います。
そもそも、耐熱温度とは何でしょうか?
①荷重たわみ温度 荷重がかかった状態でどのくらい耐えられるかという温度 |
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②連続使用温度 無荷重の状態で連続使用した場合、 |
上記なような温度を“耐熱温度”と称します。
ただ、素材としては、長期的な耐熱性を表す場合が多いので、このサイトでは 連続使用温度 ≒ 耐熱温度 と考えてください。
こちらは弊社で取り扱いの多い材質の温度域における使用範囲を表したものです。
材質によって温度域の幅や温度の高さが異なっています。
こうした違いは、それぞれの材質の特徴によるものです。
プラスチックは、熱を加えると柔らかく溶ける熱可塑性硬く固まる熱硬化性に分けられます。
熱可塑性はチョコレート、熱硬化性はクッキーやビスケットを想像していただけるとわかりやすいです。
熱を加えたり冷やしたりすると、硬くなる・柔らかくなるだけでなく、強度がなくなったり、寸法が変化したりする現象が起こります。
常温ではすべての材質が使えますが、100℃を超えたり、あるいはマイナス環境になると使用できる材質が限られます。
しかし、実際には、材質自体の耐熱温度はもっと高いのです。
例えば、PEEKやPTFEは材質自体の耐熱温度は約260℃です。PPSも220℃とされているのですが、
ベアリングとして使用する際は、摺動熱の影響も考慮し上記の値を耐熱温度としております。
このように、プラスチックは材質や素材販売メーカーの基準などによって耐熱温度が異なります。
ベアリングにおいて材質を選定する際には、使用されるベアリングの雰囲気温度がどのぐらいかによって、使える/使えないを判断しています。