プラスチックベアリングの値段について

作り方で変わるプラスチックベアリングの値段

ベアリングにかかわらず、樹脂の製品には、大きく射出成型と切削の2種類の作り方で分ける事ができます。


射出成型は金型に粒状のプラスチック(ペレット)を熱で溶かして金型に流し込み、冷やして固めて取り出すという工程で作られます。
1個の製品を作るのがとても簡単で、短時間で大量の商品を作ることができます。
そのため、形状やサイズにもよりますが、この方法で作られた商品は安価で、物によっては数円~数十円のものもあります。
一報で、はじめて商品を作るときは金型が必要なので、金型代が発生します。

形状やサイズにもよって価格は変わってきますが、数十万円~数百万円、場合によっては数千万円するものもあります。
金型代は減価償却で考えられるため、どれだけの期間をかけて償却するかを考える必要があり、小ロットでの販売はあまり行われません。数千個~数百万個といった数量、あるいは継続的にロット数が多い製品に対応するものとなっています。

切削加工は、加工機を使って棒材やパイプ材、板材を加工して製品を作る方法です。
成型品のように自動で作り出されるのではなく、1つずつ作るので加工費がかかり、その分が単価に反映されます。
ただし、金型は要らないので1個から製造・販売ができます。

紹介した2種類の作り方のうち、世間に出回っている一般消費財のプラスチック製品はほとんどが成型で作られています。
そのため、“プラスチック=安い”というイメージが一般的になっています。

金属ベアリングとプラスチックベアリングの値段

金属ベアリングは、作業工程が一貫して自動化されているため、組み立てまで自動で行われます。


一方、切削プラスチックベアリングは一つひとつの工程が、工作機械で製作されているため、人力が必要です。
成形プラスチックベアリングの場合、部品コストは安くなりますが、組み立てをすべて自動で行うことは難しいため、やはりどこか人力が必要となります。
したがって、製作コストはプラスチックベアリングの方がはるかに高くなります。

また、金属と樹脂では同じ体積でも比重が違うので、重量が違います。プラスチックが軽くなります。
しかし、重量が軽いにもかかわらず金額はプラスチックの方が高くなります。
なぜなら、金属が1kgあたり数百円とすると、プラスチックは数千円~数万円になるからです。
世の中の材料は、基本的に重量による単価が決まっています。
以上のように、プラスチックベアリングは、製作コスト・材料コストのいずれも金属ベアリングよりも高くなります。
前述したように“プラスチック=安い”というイメージを皆さんも持っていると思いますが、以上の理由でプラスチックのベアリングは金属ベアリングよりも高額となります。