食品機械で気をつけたい!「ポジティブリスト制度」って何?
食品を扱う機械や装置には、「安全性」がとても大切です。
そのなかでも最近よく耳にするようになったのが、「ポジティブリスト制度」。
聞きなれない言葉かもしれませんが、実は食品とふれる可能性のある部品や材料を使う上で、とても重要な制度なんです。
今回は、ポジティブリスト制度の基本や、対象外になるもの、そして当社のような「樹脂製のベアリング(軸受)メーカー」にとってどう関わってくるのかを、わかりやすくご紹介します。
「ポジティブリスト制度」の対象になるものって?
すべての材料がこの制度の対象になるわけではありません。
たとえば、次のようなものはポジティブリスト制度の対象外です。
- 食品に直接触れない部分
例:機械の外装、取っ手、装飾パーツなど - プラスチック以外の素材
紙・金属・ガラス・陶器・ゴムなど
つまり、制度の対象になるのは「食品に直接ふれるプラスチック部品に使われる材料」です。
ポジティブリスト制度ってどんな制度?
ポジティブリスト制度は、簡単にいうと「安全と確認されたものだけを使ってください」というルールです。
2020年6月に日本でも導入され、『食品にふれるプラスチック製品(容器や調理器具など)』に使える化学物質をリスト化し、それ以外のものは原則使ってはいけない、というルールになります。
この制度には、食品に化学物質が移ってしまうリスクを防ぐという目的があります。
ネガティブリスト制度との違いは?
昔は「ネガティブリスト制度」といって、「使ってはいけないもの」だけをリストにして、それ以外のものは基本的に使ってOKという考え方が使われていました。
たとえば、「この成分は使ってはいけない」とリストに書かれていれば使えませんが、リストにないものは基本的に使えるというルールです。
ただし、この制度には問題もありました。
- 新しい成分を使うときのチェックが遅い
- ルールを変えるのに時間がかかる
- あとから「体に悪い」とわかっても、すぐにリストに追加できないことがある
そこで登場したのが「ポジティブリスト制度」です。
これは、「使ってもいいもの」をリストにして、それ以外は使ってはいけない!というルールです。
このほうが、はじめから安全なものだけが使われる仕組みになっていて、私たち消費者にとっても安心できる制度になっています。
軸受(ベアリング)はどうなるの?
たとえば、食品を包む機械やコンベア(運ぶ装置)には、軸受がたくさん使われています。
こうした部品は、食品に触れたり、そのすぐ近くに取り付けられたりすることが多いので、使っている素材がリストに載っているかを確認することが必要です。
プラスチック製の軸受では、もしリストにない素材が使われていた場合、安全のためにリストに載っている素材へ変更する必要があります。
当社の取り組み
当社では、食品機械で安心してお使いいただけるように、以下のような対応を行っています
- 食品衛生法や海外の規制(FDAなど)に準拠した樹脂材料の使用
- ご要望に応じて使用材料の安全データや適合証明書の発行にも対応可能
設計段階での素材選びや、安全性確認のご相談にも柔軟に対応しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください