樹脂ベアリングとは
樹脂ベアリングとは一般的に、樹脂を用いたベアリングを呼ぶことが多いです。
その中でも、樹脂ベアリングは主に3つに分類することができます。
「ベアリング」と聞いて、皆さんが真っ先に思い浮かべるであろうボールベアリングは、軌道輪・保持器・ボールの3種類の部品で構成されています。
さらに、軌道輪には下図のように外輪と内輪に分けることができます。
軌道輪&保持器:樹脂 のタイプ
まず一つ目に紹介する樹脂ベアリングは、弊社製品のように軌道輪、保持器が樹脂でできている物です。
このタイプは樹脂が自己潤滑することにより、グリースや油を一切必要としません。
また、軌道輪、保持器が全て樹脂なので水中や海中、薬液のなかで、サビや腐食なく使用できます。
そのほか、非磁性・絶縁などの用途にも使え、軽量化が求められる場所でも力を発揮します。
外輪:樹脂 保持器:金属or樹脂 のタイプ
次に紹介するのは外輪が樹脂でできているタイプです。
こちらは、金属ベアリングに比べて、ガイド等の用途で使用しても相手材を傷つけにくく、静音性に優れています。また、外輪の形状や材質の種類も豊富で、用途に応じた材質を選ぶことができます。
使用用途としてはサッシや雨戸などの開閉部分やキャビネットなどの引き出し部分で滑らかに開け閉めできるように使用されています。また、相手材を傷つけにくいという事から、ガイドローラーや搬送用ローラーなどの用途で使用されます。
外輪&保持器が金属で、外輪に樹脂が巻かれているタイプ
3つ目は金属ベアリングの外径に樹脂が巻かれている樹脂巻きのタイプです。
前述した外輪が樹脂のベアリングとは違い、ベアリング本体は全て金属製で、その外側に樹脂を巻いたものになります。
「樹脂コートベアリング」や「樹脂巻き」などとも呼ばれることもあります。
樹脂ベアリングの中でも、耐久性能が求められる場合等で使用される事が多いです。
こちらも外径に樹脂を使用しているため、相手材を傷つけにくく用途に応じて樹脂部分の形状や材質を選ぶことができます。
用途としては、前述した外輪が樹脂のベアリングと同じ用途で使用されることが多いほか、駐車場、駐輪場のガイドローラーや走行ローラー、エスカレーターのステップの姿勢を制御するローラーなど比較的荷重がかかる場所でも使用されることがあります。
まとめ
「樹脂ベアリング」は主に前述した3種類があり、それぞれに利点や適した用途があります。
これまで紹介した樹脂ベアリングは深溝形状のボールベアリングでしたが、弊社では調心形状やアンギュラ形状、スラスト形状といったボールベアリングの中でも様々な形状を取り揃えています。
ボールベアリング以外にも、樹脂すべり軸受や樹脂スライドベアリングのほか、ピローブロックのベアリング部分を樹脂にして製作するなど「軸受」と呼ばれるほとんどの物を樹脂で製作しており、その材質・形状の品揃えは業界でもトップクラスです。