プラスチックベアリングの寿命

「プラスチックベアリングは金属ベアリングと比べて寿命はどれくらいになりますか?」という質問がよくあります。
通常プラスチックベアリングと金属ベアリングを比較すると、圧倒的に金属ベアリングの方が長寿命になります。
では何故プラスチックベアリングがあるのでしょうか。

答えは、金属が使用できない環境が存在するからです。

例えば、水中や薬液などの特殊環境で金属ベアリングを使用すると、グリースが漏れたり、錆や、腐食が発生したりして、寿命が著しく低下します。
一方プラスチックベアリングは自己潤滑性能があるので、グリース不要かつ錆や腐食に強いベアリングです。

水・お湯、あるいは薬液の種類に対応した材質を選定する事で錆や腐食なしで使用でき、金属ベアリングよりも寿命が長くなります。
また、プラスチックベアリングは基本ドライ環境で使用できますが、水や薬液などの液中で使用する場合、水や薬液が潤滑材代わりになり冷却効果や摩擦抵抗を減らすことができるので、プラスチックベアリングにとっては好条件となり、寿命が長くなります。

寿命とコストの関係

弊社のプラスチックベアリングは金属ベアリングよりも高価になります。

しかし、金属ベアリングを使用していて、頻繫に交換をしなければならないところを、プラスチックベアリングに置き換えて頂くことで、長寿命化し、ベアリングの交換回数が減り、さらにグリスレスの特性から定期メンテナンスが不要になるため、結果としてトータルコストや手間の削減に繋がります。

例題として金属ベアリングとプラスチックベアリングのトータルコストを比較した表が以下の通りです。

(例)現在金属ベアリングを使用しており、3ヶ月に1回交換を行っている。

・金属ベアリング  ¥100/個   ・交換手間賃   ¥3,000/回 

  購入時 6か月後 1年後 2年後

金属ベアリング

¥100+¥3,000
¥3,100

¥3,100
+¥100×2個
+¥3,000×2回

¥9,300

¥3,100
+¥100×4個
+¥3,000×4回

¥15,500

¥15,500+¥15,500
¥31,000

プラスチックベアリングに代えたところ、交換回数が年1回に減った。

・金属ベアリング  ¥2,000/個   ・交換手間賃   ¥3,000/回

  購入時 6か月後 1年後 2年後

樹脂ベアリング

¥2,000+¥3,000
¥5,000

¥5,000

¥5,000+¥5,000
¥10,000

¥10,000+¥10,000
¥20,000

このように購入時は金属ベアリングの方が安くなりますが、6ヶ月後以降になると寿命の長いプラスチックベアリングの方が安くなっていきます。

 

単純に金属ベアリングと比較すると寿命やコストは金属ベアリングの方が優位になりますが、プラスチックベアリングは、使用環境により寿命が長くなり、長期的なトータルコストを安くする事が可能です。

また、メンテナンスに関してもプラスチックベアリングはグリースの注入なども不要でメンテナンスフリーでご使用いただけます。

 

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