セラミックベアリングとは

前々回のかくシカ話では、金属が使用できない環境でプラスチックベアリングが使われるとご紹介しました。
しかし、金属が使えない環境で活躍するベアリングは、プラスチック製だけではありません。

今回は、「セラミックベアリング」についてご紹介します。

セラミックベアリングの特長

セラミックベアリングは、オイルフリーで使用できます。
液中や水中など、プラスチックベアリングと同じく金属が使えない場所で使用されますが、プラスチックよりも高負荷・高回転数に耐えることができます。
例えば、水がかかるのなどの特殊環境で、負荷が大きい箇所や回転が高速な場所に使われる場合は、プラスチックベアリングよりもセラミックベアリングの出番というわけです。

ただ、回転する際に硬い物同士が接触するので、シャーッという回転音はプラスチックベアリングよりも大きくなります。

 

セラミックベアリングの形状

セラミックベアリングは、金属ベアリングやプラスチックベアリング同様に
深溝ベアリング、スラストベアリング、調心ベアリング、アンギュラベアリング、ミニチュアベアリング等、形状の種類が豊富です。

セラミックベアリングの材質

ベアリングに使われるセラミック材質は、主に下記の4つです。

  • ジルコニア
  • アルミナ
  • 窒化珪素
  • 炭化珪素

この中でも、靭性が高いわりには価格が抑えられ、成形・研磨が容易であるジルコニアが多く使用されます。

ただし、ベアリングの全ての部品をセラミックで作ることは難しく、特に保持器までセラミックとするのは通常の深溝ベアリングでは不可能です。
そのため、保持器には通常、弾性のあるプラスチックを使います。

セラミックの耐熱温度が必要な環境では保持器を無くした総ボール形状のベアリングを推奨します。
しかし、回転時にボール同士が接触してしまうため、超低速回転でしか使用できません。

 

セラミックベアリングは少し高価格ですが、高い耐薬品性、強度、耐熱性を兼ね備えているのです。

 

 

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